「マンガ読み」図書館員の不満 1

 このブログで書いてきたとおり、私は40才目前にマンガを読み出した公共図書館員です。公共図書館の「マンガ」という資料に対する扱いが、私が図書館学を学びはじめた90年代前半と基本的に今も変わっていないことに愕然としています。
 そのことに触れる前に私がマンガを読み出してわかったことを書いていきます。「イキガミ」読了後私は「ブラックジャックによろしく」+「新ブラックジャック・・・」をこの間に読みました。このマンガを通じて現実ではないということも十分理解していますが、さまざまな職業のマンガを集めれば、進路指導や職業指導に使えるのではないかと考えました。だけど全く資料として入っていないんですよね。こんなことを考えたのは大学卒業後の大学の研究室での教授や女子学生との会話を思い出したからです。私は卒業後1年間就職浪人をして土日は図書館員、夜は本屋でアルバイト、昼は研究生兼大学助手のアルバイトをしていました。バブル崩壊直前で私のほかにもそうした女子学生があと数人いました。その彼女たちは家庭裁判所裁判員になりたいので浪人したと話してくれました。彼女たちが家庭裁判所を目指したきっかけはマンガ「家裁の人」を読んだからだと教えてくれました。マンガを読んでいなかった私には全くわからなかったんですが・・・
ほかの職業でもそういうことってあるんじゃないでしょうか?

そうしたマンガをいろいろと入れたいと思っていてもネックになるのが、選書基準です。どこの図書館で最初にこの文言を入れたか知りませんが、あちこちの図書館の選書基準にこのような言葉があふれています。「マンガ資料については世間から名作と評価されたものを購入する」「連載中のものは評価が定まっていないので完結したものを購入する」など。小説については、評価の定まっていないものをあんなに購入しているのに。マンガにはハードル高すぎなんじゃないというのが第一の不満です。