「マンガ読み」図書館員の不満 2

前回「1」のいただいたコメントに対するやり取りの中で触れた「公共図書館とマンガ」という冊子は、第2集も1992年に出されました。これらの冊子は全国の図書館に配られたようで、総合目録ネットワークで検索すると各県立図書館の名前でヒットしますので、興味のある方は取り寄せてみてはいかがでしょうか。
確かに「マンガ」を図書館資料に入れようとする時には、実際にお世話になりましたし、使える資料だと思います。何も方針が無い中で、どのマンガを入れるべきかということを決めるのって非常に難しいのですから。ただし第2集からもすでに15年以上経過していながら、図書館のマンガ資料の有様が全然進歩してないのがひっかかってしまたわけです。
今までの範囲から少しでもサービスの枠を拡大しようという意気込みが感じられないんです。資料費が削られ続ける中でマンガの収集範囲を広げられない、広げたくないという気持ちも分からなくはないのですが、寄贈図書の中にマンガがあるだけで拒否というのは見直してもと思ってしまいます。
私の提案したいのは、
「1」で書いたことの繰り返しですが、進路を考えたり職業指導にも使えるようなものということということが1つ目。
前回1で紹介した「ブラックジャックによろしく」は一応これにはクリアしていますが、性的なシーンもありますので、その点をどうするかということは議論の余地がありますけれど。
以下新しい項目として、
2、映画、TVドラマ、アニメ化されたものは、連載中でも購入の検討をする。
→マンガ初心者にとっては、他のメディアミックスされるというのは、何か資料的な価値や魅力があるのではないかという一筋の「光明」(この表現とっても「カイジ」的だな)なんです。私は「蟲師」を読んでから、ババを引きたくないためそうした作品ばかりに手を出しています。
3、寄贈されたマンガについては、これまでマンガを資料として来なかった図書館については、「公共図書館とマンガ」で認められる範囲のものは受入れる努力をし利用者の反応を見る。既にマンガを資料としている図書館については上記2の範囲のものまで受け入れ利用者の反応を見る。
という所詮そのレベルなんです。なのにその一歩が踏み出せないんですね。
4、更に選定能力が無くて選べないと仮定するとするならば、マンガ関係の賞を受賞した作品を検討するという「他力本願」的な手もないわけではありませんが・・・

私の図書館では、県内ではそこそこマンガを所蔵していますが「愛蔵版」「文庫版」を基本としていて、いわゆる普通のコミック版は郷土著作家のマンガ、ドラえもんなど児童に人気のある作品に限っての収集に留まっています。
この形態にこだわるというのも私的に、理解できません。また昔話になって恐縮ですが、90年代初頭公立図書館では「文庫本」は購入しませんというところがまだかなりあって、図書館員なりたての私は衝撃を受けた記憶があり、形態で資料とするのかしないのかという発想に違和感がつきまとうのです。