中島みゆきの使う一人称

前々回の作品紹介で、で思い入れの多い作品についてはケータイでの書き込みだと収まらないことがわかった。このペースだと年始のめでたい時期に一番暗い作品にぶち当たること必至なので、調整します。
次に紹介するべきアルバムは79年3月発売の「親愛なる者へ」。前作との間に2枚のシングル「おもいで河/ほうせんか」「りばいばる/ピエロ」が発売。4曲とも演歌調の楽曲である。ピエロ以外は好きな曲で、特にほうせんかは、仕事仲間の死を悼んで作られたという話を聞き更に好きになった。
ピエロは80年代に根津甚八も歌う曲。一人称は「俺」。これまで紹介してきた曲の中でも「おいら」「俺」を使った曲はあるが、「僕」を使った曲が目立つのは80年代に入ってから。
一方女性の一人称は、「私」より「あたし」が目立ち「あたい」というより砕けたものも散見。90年代に正式に発表された、デビュー前から作られた「あたし時々おもうの」を持ち出すまでもなく、おそらく素のみゆきさんは「あたし」派なのだと思われます。「親愛なる者へ」は、歌詞カードに聴き手に向けてメッセージが書かれています。そこも「あたし」モードだし。