前回の講義の命題「ポータル」について考えてみる
研修受講者以外の方からのリアクションがあり、驚いています。
タイトルからすると、「堅そうなテーマで書くな」と思われるかもしれないが、いつもどおり音楽ネタを素材に考えていくことにします。
・人は、何でも始めてのことに挑戦しようとするときに何から手をつけていいかわからないし、お手本やアドバイスが必要である。
ということについては、みなさん納得されることでしょう。
こうした不安を取り除いて一定の方向に導けるようにするのが「ポータル」の意味なのではと講義終了後2週間ほどたち考えているところです。この認識だと、私の勤務する図書館のHPは「ポータル」とは言えないのかも・・・
職場に洋楽に明るい職員が誰もいなくて、このジャンルの資料収集をどうするんだいう問題に直面し聴きだしたのが始まりでしたが、最初はどのアーティストの曲を聴いていいんだか、全くわからない状態でした。そこで次のような方法を10年ほど前に試みました。
1、図書館で既に所蔵されていて、私自身がアーティスト名を聞いたことのあるアーティストのベスト盤を借りてみる。
2、ベスト盤の解説書を音楽を聞きつつ読み漁る。
3、「764」「767.8」の洋楽解説本、ディスクガイド本をチェックし、自分のアンテナにひっかかたアーティストのベスト盤を購入して聴いてみる。
基本的にこの1〜3の工程の繰り返しを最初のうちずっと行っていました。CDの解説を読んでいくうちに自分の趣味にピッタリのレヴューをしている解説者を見つけるようになります。また洋楽を聴いているうちに「この曲B'zのあの曲にそっくり!」という発見をし楽しめるようにもなりました。楽しみをみつけられればあとはどうにかなるのではないでしょうか?
都心の大型ショップに行き、CDの帯のアーティスト名と解説者をチェックするという作業もしました。そうこうするうちにお気に入りのレーベルを見つけて「マーキー・インコーポレイティド」のものをチェックすればお気に入りを時間短縮でみつけられますし、ディスクユニオンのプログレ館や、ヘヴィメタ館など専門に扱っているショップに行けばいいこともわかるようになりました。
3の洋楽解説本やディスクガイドが図書館にあまりそろっていないのも問題だと思っています。私のオススメするシリーズは学習研究社で出されている「200CD」シリーズ。もともとロックやポップスの紹介というよりもクラシック紹介で出されたシリーズなのですが。特定のジャンルを極めるのにとりあえずチェックすべきアルバムが紹介され、かつ楽器のこととかまめ知識もわかって○です。
洋楽を聴くようになって、昨年の夏活動停止したSAS(サザンオールスターズ)の偉大さがわかるようになりました。10年前までSASは「たまに良い曲もあるけれど、よくわからない曲を書くバンド」だと思っていました。桑田氏の音楽趣味が反映されていて、そうした音楽に接したことがなかった故の反応でした。「稲村ジェーン」に収録されている「東京サリーちゃん」なんてレニー・クラヴィッツの影響だとわかると好きな曲になりましたし。
前の日記でマンガを読むにもリテラシーがいるということを書きましたが、音楽を聴くにも、それまでのリスナーの経験とリテラシーが関わってくるのだと思います。