私はどちらかというとキーボード(鍵盤)派かな

shokoame様に対する亀レスになってしまいます。
いつもお付き合いいただきありがとうございます。リンク元が日記の下の方にあって増えているなとは思ってましたが、これの意味するところがよく分からず、放置した格好になり失礼しました。なにげなく下線をクリックしたらshokoame様のブログにたどり着き「ギター」を聴いていると書かれているのを拝見しました。私もイングウェイ・マルムスティーン大好きです。私が90−00年代に好きになったHMでクラシカルな雰囲気を醸し出しているバンドは大抵彼の影響受けていると思います。

私はプログレからHMに流れ着いたためにキーボードやシンセの方に「耳」が向きます。プログレというジャンルがシンセサイザーやメロトロンと言った当時の最先端の楽器の登場によって誕生したという経緯もあってか、「プログレ耳」の持ち主たちは鍵盤楽器を重視するようです(特に日本のファンは・・・)


「UKプログレッシヴ・ロック Selected 500 over titles of albums メインストリーム・エディション」

深民淳/監修 松崎正秀/監修
出版社名 シンコー・ミュージック
出版年月 2004年4月
ISBNコード 978-4-401-61858-3
(4-401-61858-0)
税込価格 1,890円

この本は「メロトロン」を味わいたいファンのために「メロトロン」マークなるものをジャケ写の横につけているほどの力の入れ具合。そうした洗礼を浴びてきました。

メロトロンがもしなかったら後期ビートルズ(Revolver(1966年)以降)の傑作アルバムたちは誕生しなかったかもしれないし、サイケ調ビートルズナンバーがなければプログレも当然生まれなかったのではと思ってしまうのです。

プログレが育っていく過程でもうひとつ重要な要素が「クラシック音楽」とりわけ「オーケストラ」音楽との融合を図ろうとしていたことではないでしょうか。
その初期の試みの1つがムーディー・ブルースの1967年のアルバム「Days Of Future Passed」かと思います。そのアルバムは朝から夜までの一日の流れをスケッチした作品で随所にオーケストラの音楽が取り入れ、ドヴォルザークの「新世界」的な雰囲気を醸し出しています。
ムーディー・ブルースまではプログレの範疇に入りますが一般のロックグループでもそうした試みはされていて私はそうした作品が好きです。

例えばプロコルハルムの1st「青い影」のオルガンをメインにしたようなものとか1973年発売7th「グランド・ホテル」のトータル・アルバム的なコンセプト。
ゲストとしてオーケストラを招聘して共演するのではなく、グループ内にオーケストラを取り込んでしまったELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)の初期作品たち。メディアからずっと叩かれ続けてきたクイーン4thアルバム「オペラ座の夜」に収録されている有名曲「ボヘミアン・ラプソディ」など。こうした試みが「プログレ」の拡大と同時に拡散し一般的なロックにも広がっていったのだと思います。

今回最後に紹介したいのは「(荒井、松任谷双方の時代を含めた)ユーミン」なんです。中島みゆきのファンだった中学生の私がその当時他に注目していたのがユーミンです。1988年のアルバム「Delight Slight Light Kiss」までのユーミンは、プログレ耳になってからの私の耳には「プログレ的要素」のあるアーティストだったという再発見をしました。荒井時代のアルバム「ひこうき雲」「ミスリム」の陰鬱なメロディ、オルガンが印象深いアルバム未収録曲「翳りゆく部屋で」などはプロコルハルムの影響受けているなと思ったりもしますし、松任谷時代になってからもアルバム全体を通してコンセプトを持って作っている作品が多くありましたし、プログレアルバムっぽいジャケットもたくさんあります。個人的には「時のないホテル」「昨晩お会いしましょう」の2作品のジャケットが好きです。なぜ好きなのかと思ったら著名なプログレアルバムのアートワークを手がける「ヒプノシス」の手によるものだったんです。「映画は総合芸術」だとよく言われますが、プログレや一部のHRファンはジャケットにもこだわっているのです。