中島作品紹介 5

「あ・り・が・と・う」は77年6月の3枚目のアルバム。最初の1位を獲得した「わかれうた」の3か月前の発売でB面の「ホームにて」が収録。この歌はファンからの人気も高く槙原敬之もカバーしている。一般的な評価は次作から高くなるが、9曲収録、初の6分を超える長尺曲の登場などスタイルの変化が現れたアルバムで昔から注目してきた。これまでの2枚は半年という短い期間でのリリースということとスタッフ主導で作りました的な匂いがしていたのが、この作品では8か月というインターバルを取ったこと、「歌っている途中で泣いているように聞こえるのは本気なのか演技なのか」という論争が巻き起こるような曲の走りとも言える「女なんてものに」が収録されていて、今後の作品の充実ぶりを感じることができる作品。昔から2曲目の「店の名はライフ」が歌詞的には深みが無いのにすごく気に入っているのが不思議だったけど、間奏が微妙に変わっていくのが洋楽ティックだったからだろうか。クレジット確認したら坂本龍一氏も参加していました。「サーチライト」でブルースを取り入れるなど貪欲的な作品であること、「時代」に続いて愛する人を亡くした事をもとに作った「まつりばやし」も収録などがウリの作品。