中島作品紹介8

70年代ラストのアルバムは「おかえりなさい」。他のアーティストに提供した曲を歌い直している作品。もしかして日本でのセルフカバーアルバム第1号?この作品が無かったら80年代の陽水の9.5カラットという作品は生まれなかったかもしれません。そういう意味では重要な作品かもしれないけど、90年までのアルバムの中では一番聴かない作品。自分が中島みゆきという名前を知るきっかけになったヒット曲は複数収録されているけど、違和感を感じてしまうのです。そんななかで好きな曲は「髪」「サヨナラを伝えて」あたりでしょうか。阿久悠作詞の「世迷い言」は「真夜中 世の中 世迷い言/上から読んでも 下から読んでも/ヨノナカバカナノヨ」の回文を使った歌詞にクスリとさせられたことが思い出されました。チューリップにも回文を使った78年発表の曲Upside-downがありましたが。
「おかえりなさい」で一番の収穫は後藤次利氏との出会いかもしれません。1曲目の「あばよ」を昨日10数年ぶりに聴いたのですが、あちこちに次作「生きていてもいいですか」の楽曲たちの音の断片が聴こえてきて、新しい発見をしました。ということで次は年末年始の時期を避けた「生きていてもいいですか」です。