中島作品紹介11−2

中島アルバムにとってはシングルがアルバムの肝になる例は少ない。「あした天気になれ」は1曲目。前作の冒頭が「うらみ・ます」だけにアルバム全体を明るめにしようという意図があったかは分からないがスマッシュヒット曲を持ってきたのは正解だと思う。この曲確かクイズダービーで出題されたような記憶があります。2番の歌詞「宝くじを買うときは当たるはずがないと言いながら買います/そのくせ誰かがかつて1等賞をもらった店で買うんです」の部分。中島みゆきにしては捻りが足りないと思うのですが。この曲の一番の聞き所は冒頭の「何ンにつけ一応は 絶望的観測をするのが癖です」のところでしょうか?90年代の作品の一部は、この曲に源流があると思います。そう考えると重要な曲かも。
「あなたが海を見ているうちに」の中に出てくる「誰か車で待ってるみたいな 少し気取った甘い足取りは」は歌詞を見ずに聴くと「誰か来るまで」とも聴ける。佐野元春の「アンジェリーナ」にも「今晩誰かの車が来るまで/闇にくるまっているだけ」という詞がありカブるけど、恋人と海で別れる情景、フェアレディと車の固有名詞が出てくるところなど面白い。「ドアのへこんだ白いセリカ」への対抗心?