中島作品紹介12−2

2曲目の「傾斜」について。傾斜の主人公は、腰の曲がった老婆。傾斜10度の坂道を草履で足を滑らせながら登っていくというシチュエーション。3日ほど前のコメントに対する返事で肝になる歌詞を載せたのでその後に続く箇所を紹介する。あの歌詞の後には「悲しい記憶の数ばかり 飽和の量より増えたなら 忘れるよりほかないじゃありませんか」と続きます。だから「忘れっぽいのはステキ」なんです。
次の「鳥になって」は比較的地味な曲ですが心を捉えられるフレーズがある曲。「愛した人の数だけ 愛される人はいない/落ち葉の積もる窓辺はいつも/同じ場所と限るもの」「誰も眠りの中まで 嘘を持ってはゆけない/眠る額に 頬寄せたとき/あなたは彼女を呼んだ」など今後の作品につながる歌詞が並ぶ。このアルバムで3曲目にして鍵盤楽器が目立ちゆったり聴ける曲でA面で唯一心安らぐ曲調。失恋の曲で心安らぐというのもどうかとは思うけど。