中島作品紹介13−1

83年3月発売の10作目「予感」収録の各曲について、また数回にわたって書きます。前作「寒水魚」は1、2を争う好きなアルバムの割りに各曲ごとにすると厳しく書いてしまいました。2〜3曲の優れた曲が頭1つでているのでその位置にいたんですね。「臨月」「予感」もそれに匹敵するアルバムなのですが「寒水魚」ほど曲の差が少なくバランスのとれた作品と言えます。このアルバムではA面を中島自身がプロデュースした意欲作。このアルバム以降80年代を「ご乱心」時代と称される、冒険が始まるがセルフプロデュースしたことが、きっかけだったのかも。しかし暗さは変わらず、曲の作りは重みを増した感じです。
1曲目は「あの世に一人だけ」ではなく「この世に二人だけ」。オールナイトニッポンのネタです。冗談めかしましたが次曲「夏土産」とともに冒頭を飾る失恋の曲。主人公が躓いて転ぶところなど先月のドジな自分を重ねてしまいます。「二人だけこの世に残し/死に絶えてしまえばいいと/心ならずも願ってしまうけど/それでもあなたは私を選ばない」という歌詞が痛いけれど胸に響く曲。