中島作品紹介13−6

B面2曲目の「縁(えん)」、4曲目の「金魚」を紹介します。どちらも3分台の短い曲の割に前奏が長く歌詞も12行、13行の小作品。「金魚」は金魚すくいを人生に喩えたわかりやすい曲でもともと好きな曲でしたが、「縁」は数年後に行ったコンサートで生で聴くまでは苦手な曲でした。マイクからでない生の声を聴いた初めての曲という思い入れもあります。しかし前奏がプログレ風なんです。プログレ聴きになってわかった事実ですけど。2番に入る前の間奏も。「縁ある人/万里の道を越えて 引き合うもの/縁なき人/顔を合わせ すべもなくすれ違う」「あなたを私は追い回す/私はあなたの毒になる/河よ 教えて 泣く前に/この縁は ありやなしや」と歌詞は他力本願的。
テキーラを飲みほして」を間にはさんで「金魚」。1匹もすくえないのに、シャツを水浸しにしちゃう不器用さ。「きらりひらり きらりひらり 人生が身をかわす きらりひらり 幸せが逃げる」の「きらりひらり」の使い方などがツボでしょうか。そうした金魚をすくえないことに対して旅暮らしだし飼えないからと、まとめている。諦めの美学みたいなものが表現されているが、このあたりが競争ばかりで疲れた人たちの心を慰めるのだろう。