中島作品紹介14−4

A面ラストは「彼女によろしく」。この曲も倉田さんのキーボードが美しい曲。「あと幾日生きられるか 生命線に尋ねてみても/昨日死んだ若い人の掌は長生き示してた」という不確実性と人間の愛情の移り変わりを歌っています。外国を「外(と)つ国」としたり「god bless you」という単語が出てきて、従来の作品とは違う雰囲気を出しつつも、ラストで「私が彼女に見えるほど/酔った時だけ言えたね愛を/時計は二度と回らない・・・」で「生まれた時から」と「ひとり」を再び想起させる作りが心憎いです。この曲を聴いて1年ほど後に大江千里の「乳房」収録の同名異曲を聴いて、歌詞を比べたことを思い出しました。B面のスタートは、ロックナンバー「不良」。「狼になりたい」は名曲という評価がついているけど、こちらは「迷曲」という感じ。
「シニカル・ムーン」を次回に回して、3曲目の「春までなんぼ」も迷走感漂う曲。中島作品で「春」は危険なキーワードかも知れません。とボロクソの評価だった曲なのですが、キング・クリムゾンの不協和音を聴いた耳では、歌詞はともかく音楽はそんなにイヤじゃなくなっていました!褒めてんだけなしてるのか分からない文章になっちゃいました。